たったひとつの愛を君に



しかし蜂は私の願いを聞いてやくれなかった。

「嫌だよ。こんな状態の蜜を放っておけない。汚れてなんかない。事故だから。子供だって早いうちに病院に行けば大丈夫だから。」

どこまでも優しい蜂。

私を安心させようとしてくれる。

私なんかの為に…。

本当は嬉しかった。

汚らわしいと拒絶されるのが怖かった。

だから思わず泣きながら叫んでしまった。


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