星空を見上げて

東京の今日の日の入りは18時少し前くらい
それに合わせて私たちはスカイツリーを目指した
最寄駅からは徒歩だが東京の街並みを眺めながらゆっくり歩を進めた

日中は温かかったのに夕方になるとやはり寒くなってくる
とは言っても北海道の寒さと比べるとずっと暖かい

ここに来るまでの間、私たちはひと言も言葉を交わさずにいた
さっきまでの楽しい時間がまるで夢のようだった

草摩さんからの連絡はまだない
今日は電話こないのかな、てっきり今日かかってくると思っていたのに
このまま電話がかかってこなければいいな

繋いでいた手をきゅっと握りしめる
圭介さんは目を少し開き私を見たが何も言わなかった
きっと私の考えていることが分ったんだろう

「瞳」

前を見ていた圭介さんがゆっくり私を見た、そして

「何があっても傍にいる、だから」

だから?

「俺を信じろ」


この先どんな結果が待っていたとしても私たちはきっと大丈夫

たとえ記憶が戻っても戻らなくても私は彼の傍にいる
そして彼も傍にいてくれる、その言葉を信じよう

日下部さんに会ってちゃんと話をしたら圭介さんに好きだと言おう
そして2人で過ごしたあの家に帰るんだ
そう決意した私は草摩さんからの電話を待つことにした


< 28 / 183 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop