星空を見上げて
「多分病院で初めて会った時から惹かれていたのかもしれません
はっきり自分の気持ちに気がついたのはついこの間ですけど」
「この間?」
「今回の東京出張圭介さんに誘われたんです、
何か思い出すキッカケが見つかるかもしれないから一緒に行かないかって
私は誘われたことが単純に嬉しくてあまり深く考えていなかったけど
あとで考えるとちょっと怖かった」
「怖い?」
「記憶は取り戻したいって思ってました、でももし全て思い出してしまったら?
圭介さんにとって私はただの同居人です
きっと一緒には居られなくなりそうな気がして」
「瞳ちゃん」
「でも圭介さん言ってくれたんです
何があっても傍にいるって、だから俺を信じろって
その言葉を聞いたときこの先全て思い出しても
私たちはずっと一緒に居られるんじゃないかって思えたんです
なので今日日下部さんと会ったら
そのあとで圭介さんに告白しようって決めたんです
振られるかもしれませんけど」
私は苦笑しながらコーヒーを飲んだ
「それはない」