年下彼氏と甘い恋
陽太に、思わず言ってしまった。
「調子のいいこと言わないでよ」
再びオフィスが静かになる。
きっと人々は、王子と惨めな女の修羅場を複雑な気持ちで見ているのだろう。
「気付いているなら、労いの言葉くらいかけたらどうなの?
それなのに、陽太はまた女性に囲まれて、鼻の下伸ばしてた!」
そう言い放って私は駆け出した。
もう、こんな見せ物懲り懲りだと思って。
粗相をして部長を怒らせ、場の空気を悪くした私は、もうこの職場にはいられないだろう。
そして、王子の陽太とも付き合えない。
今置かれている環境全てをリセットして、一からやり直したいと思った。
「里佳子!」
案の定、陽太は追いかけてくる。
だけど、今日は負けない。
私は本気だ。