年下彼氏と甘い恋
「それじゃあさ、さっそく……
陽太が口を開きかけた時、
「あれ?遠山、彼氏?」
聞き覚えのある男性の声が聞こえた。
ビクッとしながらも顔を上げた視線の先には、先輩の奥原さんが立っている。
彼氏じゃないです!
反射的にそう言いそうになったのだが、
「はい、里佳子の彼氏の前園と申します」
陽太が丁寧に自己紹介をして、奥原さんは例外なく頰を染めた。
見慣れた反応だ。
女子に限らず男性までも、イケメン陽太をこんな顔で見る。
「遠山、男前捕まえたな。
お前、面食いなんだな」
驚きながらもニヤつく奥原さんに、
「俺が里佳子を捕まえたんです」
恥ずかしげもなく陽太は言う。
そして念を押すかのように付け加えた。
「里佳子に手、出さないでくださいよ?」