aventure
翠は何を言われるかわかっていたみたいだった。

「あの子をどうするつもり?

波瑠と同じ女の子に翻弄されるなんて
こんな事が表沙汰になったら
恥ずかしくて道も歩けなくなるわ。」

「君は僕にそんな事言える立場か?

あの子は僕に見捨てられたら生きていけない。

色々複雑な事情を抱えてる。」

翠はそんな鴻を見て驚いた。

「まさかと思ってたけど…本気なのね。

あなたがどんな女と付き合おうが気にしないけど
波瑠のことはどうするの?

波瑠と同じ女を取り合うなんてどうかしてるわ。」

「波瑠とは別れさせる。」

「呆れた。

波瑠も本気みたいだけど…
そんなに簡単に行くかしら?」

「彼女は波瑠のことを好きなわけじゃ無い。

だから…」

「彼女はお金をくれるあなたを必要としてるだけよ!

あなたを本気で好きだと思ってるの?」

「君にはわからない。

例え金のためだとしても…それでもいいと思ってる。」

翠はショックを受けていた。

鴻は思ったより彼女にのめり込んでる。

「君には迷惑かけないから、彼女と僕のことは放っておいて欲しい。

それから桜智には二度と会わないでくれ。」

鴻はそう言って翠が桜智に渡したお金をテーブルに置いた。





< 72 / 95 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop