コガレル ~恋する遺伝子~


「あなたも同じでしょう。あそこに居るんでしょ、弥生。
あなただって、一緒に暮らして弥生を好きになった。
女優でカムフラージュして、恐らくは家族には内緒で」

 その…通りだ。
 こいつを非難する権利はないのか…

「弥生は高校卒業と同時に家を出ました。大学の学費と生活費は奨学金とバイトで払いました。
一人で全部やりましたよ。俺の助けも、両親の援助も全て断った。
そして名古屋の家には近寄らなくなりました」

「それとあなたの母親の手切れ金がどう繋がるんです?」


 まだ順序立てて過去を語りたかったのかも知れない。
 だけどそんなの後でゆっくり、弥生の口から直接聞けばいいことだ。

 白岩はどうやら空気を読んだようで、思い出語りとは表情を変えた。



「手切れ金を渡されたのは、弥生の母親です。
弥生の母親が亡くなる時、俺の母に託したんです」


 つまり、それは弥生の母親と俺の親父が関係を持っていたと…?




「弥生の兄は、俺じゃない。




あなた ってことです」


< 178 / 343 >

この作品をシェア

pagetop