コガレル ~恋する遺伝子~
弥生が…妹とか。
冗談きつ過ぎる…
「あなたがあの豪邸で暮らしてる時、弥生達は熊本で細々と生活してました。
俺は弥生が大切ですし、仕事も安定してきました。今なら弥生を受け入れることができます」
「彼女の気持ちは…無視?」
白岩は俺を見下したように、フッと笑った。
「お父さんが不倫して、弥生の母親と弥生を捨てたことは、あなたの弟にも、お父さんの職場にも言いません。
あなたが兄妹で恋愛していたことも…マスコミに言いません」
白岩を睨んだ。
「止めろ、」
「だから、言いませんよ!
そのかわり何も言わずに弥生を解放して下さい。
あなたの家族から、今後一切」
睨み返してくる白岩に、言い返すことはしなかった。
どうなるとか、どうするか、そんな考えには至らなかった。
何一つ思いは浮かばなかった。