コガレル ~恋する遺伝子~


 曖昧な記憶はあった。
 多分、崩れ倒れた時にアスファルトに膝を強打した。

 ジンジンと痛む膝とは対照的に、なぜか身体はフワフワと浮いてるようだった。
 温もりと安心感に包まれてた。


 夢を見てる?
 夢ならもうしばらく甘えてたい。
 もう少しこのまま…

 正体の分からない幸福感をギュッと抱きしめた。

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