コガレル ~恋する遺伝子~


 意識が戻った時に見えたのは、白くて高い天井。
 木の梁にあるシーリングファンが回ってる。

 ここが自宅じゃないことはもちろんすぐに分かった。
 頭を動かしてみると、右に白い革張りのソファの背もたれ。
 どういう訳かソファに横たわってた。
 胸から下には毛布が掛けられてる。
 左を見ると、同じシリーズでサイズ違いのソファとオットマン。
 それにローテーブル、その向こうには今は火の気のない暖炉が見えた。

 どうしたんだっけ?
 お屋敷の前で倒れて…ここはその中?

 気分は悪くない。
 身体を起こしてみようと、ついた左腕に痛みが走った。

「っつ…」

 ソファに何とか身体を起こした。
 袖をまくると、肘の下に青あざができてた。


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