コガレル ~恋する遺伝子~


 上気した頬のまま、パウダールームでお互いの髪を乾かし合った。
 お揃いのバスローブに、同じボディーソープとシャンプーの香りがくすぐったかった。

 先に乾かしたのは圭さんの髪。
 イスに座る圭さんの髪に触れた。
 ヘアメークさんはこうやっていつも圭さんに触れてるんだ…
 わずかに芽生えた嫉妬に呆れてたら、圭さんが立ち上がった。

「はい、終わり。次、弥生」

「え、まだ生乾き、」

 圭さんは私からドライヤーを取り上げると、肩を押して交代に座らせた。

 そして、仕事は雑だった…

「もう少し丁寧に乾かして下さい」

 イスに座る私と鏡越しで、後ろに立つ圭さんと目が合う。

「限界…」

 圭さんはドライヤーを洗面台に置くと、私の手を引いた。
 ベッドルームのドアを開ける前に、
「忘れ物、」そう言って、バッグから封筒を取り出した。

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