コガレル ~恋する遺伝子~


 起こさないように寝返りしたつもりでも、振動が伝わってしまったみたい。

「どこに行くの?」

 寝ぼけ眼なのに、手首をしっかりと掴まれた。

「部屋に帰って着替えてから出社しないと、」

 サイドランプ下のデジタル時計は、始発はもう動いてる時間を表示してる。

「圭さんは、まだこのまま寝てていいですよ」
「部屋も編集部も車で送るから、もう少し寝よう」

 ベッドから出してもらえなくて、背中から抱きしめられた。
 圭さんの鼻が私の項に埋められて、呼吸が首筋に当たる。
 お互い裸のまま。
 私の肌に当たるのは呼吸だけじゃなくて、その…色々…
 私の太腿に当たるそれは、多分確信的に小刻みに動いてる。
 圭さんの左手の指は私の胸をさ迷って、お腹から更に下へ…

「痛む…ここ?」

 私の首筋に唇を触れさせて話すから、その声と感触が背筋を震わせた。
 圭さんの指を掴んで、粟立つ肌から離した。

「…まだ中にあるような感覚が…」

 太腿に当たる軽い振動の後、圭さんの甘い吐息が首筋にかかった。

「痛むと可哀想だから、夜まで我慢する」

 ギュッと抱きしめられて、いたずらはもうされなかった。
 やがて静かな寝息を立て始めた圭さんの腕の中で、二度寝はできなかった。
 長い一日になりそう…

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