コガレル ~恋する遺伝子~


 馬刺しの効果かどうかは知らない…


 圭さんに夜明けまで眠らせてもらえなかった。

 もう許して…って泣けば泣くほど、激しく揺れた。
 涙は逆効果って知った。
 でも私の涙腺はおかしくなって、勝手に溢れて止められなかった。

 世界も、色も、時間も、二人がここにいること以外何も分からなくなった時、溶けて繋がった身体のまま抱き起こされた。

 涙を流すだけで座る姿勢が保てない私を固定すると、揺れは止まった。
 熱く突き刺すような視線なのに、その表情はとろけそうで、こんなに色気のある男性を知らない。
 艶やかな吐息の直後

「愛してる」って、囁かれたのを聞いた。

 私の背中が優しくベッドに倒された時、身体は二つに戻った。
 圭さんの忙しない鼓動を肩に感じながら、私は眠りに落ちた。

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