コガレル ~恋する遺伝子~


「あの職場も好きでした。
今は今で夢の仕事ができて楽しい」

 扱ってる記事は違えど、元々希望した職種に就けたって。
 それは分かる。
 でも
「くまたん、が?」そんな意地の悪い返事をしてしまった。

 弥生が帰らない元凶で、仕事の楽しさの中にはあのカメラマンの存在も間違いなくあるからだ。
 俺の心の中の黒さを知ってか知らずか、弥生は純粋に初めての取材が上手くいったことを話して聞かせた。
 その顔は生き生きして見えた。

 俺がいなくても、どこでも、弥生はやっていける。
 情けなくも焦りが心を支配する。

「それに、」そうも言って、カクテルに口を付けた。

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