コガレル ~恋する遺伝子~
弥生をパウダールームに座らせて降ろした。
「見て、」と言いつつ、俺もどんなだか見てない。
ドアを開けてみたら、コンシェルジュはいい仕事をしてた。
赤とか白とかオレンジのバラの花びらがバスタブ一面に浮かんでる。
弥生も状況を理解できたようだ。
「こういうの好きでしょ、誰かさん」
うっとりとした表情で座ってる弥生の元に戻ってキスをした。
キスしながらブラウスのボタンに指をかけたら、手を重ねて止められた。
身体を引かれたけど、背中が大きなミラーに当たって無駄な抵抗に終わった。
逃げ場を無くしただけだ。
ボタンを全部外した。
のぞくデコルテのライン。
指に襟を引っ掛けると背中に下ろした。
顕になった細い肩がミラーに触れて、冷たかったんだろう。
ビクッと身体を震わせた。
スイッチが入った。
適度な抵抗は無視した。
腰を引き寄せて弥生を立たせると、全ての纏うものを取り去った。
俺もキスしながら、弥生に触れながら、同時に裸になる。
恥ずかしさに赤く染まる頬と潤む瞳で、弥生が俺を見上げた。
ヤバイ…
気をそらそうと視線を外しても、見えるのはミラーに映る弥生の後ろ姿。
サラサラとした髪が、透き通るような白い肌の背中にかかってる。
その腰の下には柔らかそうな…
思わず触れると、手の平に吸いつくような滑らかな肌が震えてた。
「超大型犬と風呂に入ると思えば?」
「そんなの無理…」と答えた弥生はまるで、涙目で震える小型犬のようだった。
手を取ると緊張か寒さか、指先がひんやりと冷たかった。
「おいで」
手を包み込むと、バスルームへといざなった。