コガレル ~恋する遺伝子~

 シャワーを出して、まずは弥生の身体を温める。
 しばらく湯をかけ続けてるのに、微動だにしない。

「弥生さん、こっち向こうか」
「無理です」

 俺に背中を向けて腕を胸の前でクロスさせてる。
 こっちには意地でも向かないつもりらしい。

 まあ、いいか。
 尻は丸見えだし。
 意地悪でなんの前置きもなく頭に湯をかけたら、抗議の声が上がった。
 笑って受け流すと、そのまま頭を洗ってやる。

 女性の髪を洗うなんて初めてだ。
 子供の頃は准の短い髪なら洗ったことがあるけど。
 こんなに気を使って扱ったりはしなかった。
 泡を流し終わったら、今度は交代して俺の番。
 弥生は俺に背中を向けさせた。

「だから、こっちを振り返らないで」

 シャンプーの途中、何度も頬を押し戻された。
 ちなみにこの流れで身体も洗いっこしよう、という提案は速攻で却下された。
 仕方なく互いが互いの洗身を済ませて、バスタブに浸かった。

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