コガレル ~恋する遺伝子~



 インタビューが終了した後、どう過ごすのか聞かれた。

 弥生の部屋で時間を潰すことも提案されたけど、鍵の件を思い出してイラッとしそうだから遠慮しておいた。
 ドライブして、仕事の終わる時間に迎えに来ると言ったら納得したみたいだった。

 帰り際、夢のデスクの脇を必然的に通るから、座ってる彼女に声をかけた。

「コーヒー、ごちそうさま」

 前から夢が俺を応援してくれてたことを、弥生から昨日聞いた。
 物をあげるとか、他の大層なこともしてやれない。
 握手なら、誰も不快に思わないだろう。
 そう思って手を出した。
 なんだか弥生に遠慮する様子も見せたけど、結局立ち上がって両手で握り返された。

 そんな俺らの脇を、機材を抱えたカメラマンが通り過ぎた。
 弥生も仕事中だから、切り上げた方が良さそうだ。
 弥生と夢に見送られて編集部を後にした。

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