コガレル ~恋する遺伝子~
***
施術用のベッドに、仰向けになって目を閉じた。
身体には大きめのタオルが掛けられてる。
ポタッ……ポタッ……ポタッ……ポタッ……
額にハーブエキスがブレンドされたオイルが滴り落ちてきた。
アーユルヴェーダというエステ。
前にも一度、綾さんと来たことのある店だった。
その時は贅沢な気がして、私はあまり乗り気じゃなかった。
だけど彼女がどこからか貰ってきた半額券があったんだ。
でも今日はどうしてここにいるんだっけ?
その時、額からゾワゾワとした鳥肌の立つような感覚が背筋にまで伝わった。
余計な考えは中断せざるを得なかった。
はぁ……
あったか…………
…くない!?
なんで? 温かくない!
適温で温かくないと、これじゃリラックスできるはずがない。
今日は…どうして?
ポタッ……ポタッ…ポッ…ポッ…
ポッポッポッポッポッポッポッボタボタボタボタボタボタ…………
「ひゃあ!」
身体が飛び跳ねた。