極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
その後、伊崎は仕事の話以外では私にあまり絡んで来なくなった。
呆れられたのかもしれない、と思えばそれも致し方ないと思えた。
伊崎の言葉を思い出して、また私の頭の中は朝比奈さんのことがじわじわと浸食し始める。
……吉住は、どうしたい?
その質問に、はっきりと自信が持てる答えが私にはまだ見つかっていなかった。
三年前のような思いをしたくなくて、朝比奈さんとの再会にはそれなりに覚悟を決めていた。
それは、自分の気持ちに対してで、朝比奈さんに対しては寧ろ無防備だったと言っていい。
彼の方から再び望んで接触してくるなんて、思いもよらなかったのだ。
私がしっかりしていれば、それで大丈夫だと思っていた。
それなのに、まるで引力でもあるかのように、気持ちが引きずられていく。
この気持ちが、一度は封印してしまった三年前の恋のものなのか、今の彼に惹かれているのかわからない。
ラッピングの手を止めて、無意識に首元にあるネックレスを指で辿った。
別れた直後からずっと私の首にぶら下がるその鎖には、捨てきれなかった恋の名残が今もある。
今の彼は、昔とは違う。
今の私も、昔とは違う。
そのことが余計に、判断を鈍らせている。
過去の恋を取り戻したいだけなのか、それとも今現在の彼に惹かれているのか。
「……はあ」
と、溜息を吐いて背筋を伸ばした。
いつまでも手を止めていては、作業が終わらない。
集中しなければ、と軽く首を回していたら突然、「お疲れ様」と真後ろから声をかけられ、驚いて振り向いた。