極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
けれど、言われても仕方ないレベルだと売り上げ推移を思い出して唸った。
百貨店の催事で売り上げ悪ければ、次から場所をもらえなくなる。
「す、みません。今年はなんとか」
「うん、今年だめなら一回会議にかけようか」
まじですか。
つーっと冷や汗が背筋を伝う私の横で、朝比奈さんの含み笑いが聞こえた。
Sですか。
ドエスでしたっけ朝比奈さん。
楽しそうな横顔を睨みつつ、今回の催事の予約発注分と、追加発注された分を思い出す。
……多分、今年は。大丈夫……多分?
「まあ、今年は大丈夫そうだね。発注数見るに、よく売れてるみたいだし」
そう言ったのは朝比奈さんだった。
ちゃんと数字を把握してくれていたらしい。
その後、どうせなら今倉庫に届いてる分全部やってしまえとひたすらリボン結びと袋にお菓子を詰める作業をしていて、その間に百貨店の営業は終わってしまった。
倉庫に様子を見に来た販売員の女の子ふたりのうち、ひとりは新人で朝比奈さんを知らなかったが、昔から勤めてくれてるベテランの子はエリア統括が手伝いに来たと恐れおののいていた。
「気にしないでいいから、早く帰りなさい。お疲れ様、催事大変だろうけど明日からもよろしくね」
と、リボンをシャッキンシャッキン切りながら、彼がにこやかに手を振る。
ほら言わんこっちゃない、お偉いさんが雑用手伝いに来たなんて知ったら、皆遠慮するに決まってる。
「ほんとに大丈夫だから、お疲れ様。ゆっくり休んでね」
気にしなくていいから、と私からもそう言うと、こちらを振り向きながらも帰っていった。