極上スイートオフィス 御曹司の独占愛


それから、朝比奈さんはしばらく無言だった。
私を見てもくれなくて、肩を解放しても手をしっかりと握りしめてそのまま私をエレベーターまで誘導する。


どこに行くつもりなのかも尋ね難い雰囲気で、タイミングが良いのか悪いのか、乗り込んだエレベーターにはわたしたち二人だけしかいなかった。


透明なエレベーターの壁からは、ロビーが見える。
そちらへ視線を流しかけた時だった。


「伊崎が気になる?」


やっと発した言葉がそれで、見上げると同時に彼の腕が私の首に回る。
その掌が私の顎を持ち上げ、怒ったような切ないような、少し眉根を寄せた彼の表情がすぐ間近まで近づいた。


「そうじゃなくて、伊崎は、」

「ごめんね、もう少し大人の対応をしたかったんだけど、無理みたいだ」


三年ぶりの唇へのキス。
優しく重なり、けれどそのまま角度を変え深く唇を塞がれた。


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