極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
いつ、エレベーターが止まるかもわからない、ロビーから誰か見上げているかもしれないのに。
濃厚なキスから逃れようと身を捩っても、首をしっかりで腕で固定されて逃げられなかった。
「んっ……んっ、まって、」
「待たない。もう無理だ」
どこの階で止まったのかわからない。
キスが止んだと思ったらエレベーターが止まっていて、力の抜けた足を助けるように彼が肩を抱く。
そのまま連れ込まれた場所は客室だった。
まさか部屋を取ってあったなんて思いもよらなくて、だけど驚いている暇などなく部屋に入ってすぐ壁に追いやられ、無遠慮に唇を押し付けられる。
最初から、今夜私は逃げられなかったのだろう。
だから、今この部屋にいる。
だけどもう逃げるつもりもないのに、三年越しのキスが余りにも強引で私の意思を無視したもので、少し寂しくなる。
ただ、その理由にも気づいているから、なんとか話をしたいのに。
ぴったりと塞がれ口内を蹂躙する舌に、頭の芯が融けてくる。
息苦しさに、彼の胸を叩いた。
少しできた隙をみて顔を背ければ、露わになった首筋に熱い吐息が触れた。
「朝比奈さんっ……」
首筋と耳を熱い舌が這い、私の身体からますます力を奪っていく。
足を辿った手のひらが片膝を持ち上げふくらはぎを辿り、その手順で両足あっという間に靴を脱がされた。
待って。
もう逃げないのに、伊崎とのことを誤解されたままなのは、ヤダ。
「聞いて、伊崎とは」
何もないのに。
顎を掴まれ正面を向かされた。
再び重ねられた唇に、言葉の続きは奪われる。
「もう君の口から他の男の名前は聞きたくない」
キスの合間、唇を掠めたのは、散々煽られた彼の嫉妬心だった。
しゅっ、とネクタイを無理に緩めた音がする。
キスをしながら、彼は器用にスーツの上着を脱ぎ捨てた。