極上スイートオフィス 御曹司の独占愛

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店を出て、少し早歩きで会社の方へと戻りながらスマホを発信する。
ワンコールで通話に切り替わり、朝比奈さんの声がした。


『真帆？　今どこにいるの』

「すみません、ちょっとお店に入ってて。今、会社の方に戻ってる途中で、あ！」


同じ通りを、向こうから歩いてくる姿が見えた。
彼もすぐに私に気づき、微笑んだ。


通話を切ってスマホをバッグに仕舞いながら、互いに歩幅が広くなる。
彼の腕の長さ分まで近づくと、当たり前のように彼の左手が私の右手を掴んだ。


「どこのカフェか、一件一件探そうかと思った」

「ごめんなさい、電話出なくて」

「お酒飲んでた？」


風の流れがアルコールの匂いを彼に届けたらしい。