極上スイートオフィス 御曹司の独占愛

コーヒーメーカーに水をセットしてから、彼がおいでと手で呼びよせる。


「コーヒーができるまで案内するよ」


そう言われて後をついて行けば、まるでモデルルームか空き部屋を見に来たような感覚で気持ちが高揚し始めた。


キッチンを出てリビングを通り、玄関のある方へ戻るとマンションにしては少し長いと感じる廊下がある。


右側にドアがふたつと、左側には引き戸がふたつ並んでいた。


「この部屋は使ってなくて、今は荷物だけ入れてある。引き戸がトイレと洗面所、浴室。このドアが寝室」


各扉を少しずつ開けて中を見せてくれる。
寝室も広くて、大きなベッドがあるもののクローゼットらしき戸のそばに段ボール箱がいくつか置かれたままだった。


「ほんとに、引っ越してそのままって感じですね」

「取り急ぎ必要なものだけ出して使ってたら、ついね。本当はちゃんと片付けてから呼びたかったんだけど……そんなことしてたらいつになるかわからないなと思って」