極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
リビングに戻ると、コーヒーの香りが漂い始めていた。
けれど、出来上がりにはもう少しかかるらしい。
彼はそのままソファに座ると、私の腰も引き寄せて膝の間に落ち着かせ、後ろから抱きしめる。
「まだカーテンも揃ってないし、足りないものがたくさんある。この休み、君がよければ買い物に付き合ってくれないかと思って」
「もちろん……お手伝いします、けど」
「食器もカーテンの色も、君の好みで揃えてくれていいから」
言いながら、私の胸元辺りで彼が握っていた手を開く。
その手のひらに目線を落とすと、鍵がころんと乗っていた。
「合鍵、渡しておくから」
「えっ……いいんですか?」
「もちろん。いつ来てもどれだけ来てくれてもいいよ」
鍵を彼の手から受け取り、私の手のひらに乗せる。
じわじわと込み上げてくる喜びに、きゅっと強く握りしめて彼の身体に凭れ掛かった。
「……ありがとうございます」