極上スイートオフィス 御曹司の独占愛

十畳くらいのスペースに、長机とパイプ椅子が置かれてあり壁にはドリンクの自動販売機がある。
食堂で食べた後の休憩や、お弁当や持ち込みの子が食事をしたりするのに使われていて、昼二時の今頃は比較的空いていた。


「朝比奈さん戻ってきたんでしょ? また会いたいなーなんで連れて来てくれないのよ」

「カナちゃん、エリア統括が来るなんてまずないからね」


西口さん、と呼ぶのは店舗にいるときだけだ。
普段はカナちゃんと呼んでいて、彼女も私のことは真帆と呼んでくれる。


以前から朝比奈さんのファンではあるが、恋愛対象とかそういうのとは違うらしい。
どちらかというと外野から眺めていたいというのと、頭がいい人と仕事をするのは楽しい、という感覚だとか。


「それはそうだけど、でもここは一応元朝比奈さんのエリアなんだし」

「そんなこと言ってたらすごい数の店舗数あるんだけど」

「相変わらず爽やかなんだろなー」


爽やか、ではあるけれど。
以前と違うとこもあるのよ、カナちゃん。


説明したいけれど、朝比奈さんとの関係を彼女も知らないから、言えない。


「今晩、歓迎会あるよ」

「えー! 私も行きたい!」

「来る? ちょっと顔見に来るくらいいいんじゃないかな」


ああ、そうだ。
カナちゃんが顔見せに来るなら、その後一緒に抜けて帰れる口実になるかも、と内心で閃いた。


「え、行きたい! 店どこ? 閉店してからだからちょっと遅くなるけど」

「ここから近いよ。二時間半場所取ってるって言ってたから……九時までに来れる?」

「行ける多分!」


お店のホームページのURLをカナちゃんのスマホに送る。


「っつか、仕事の話、仕事」

「はいはい、催事の企画ね」


さっき、朝比奈さんから受け取った書類を彼女に差し出し、催事の商品について販売員の協力を得たいことと、私も手伝いに来ることを説明した。

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