極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
朝比奈さんの専属サブになれて、最初はすごく嬉しくて楽しかったけど、そのうち陰口をたたかれていることに気が付いた。
社内で済む書類整理の仕事だけじゃなく店舗にも連れ出されることも多くて、だから余計になのかもしれない。
だけど社内にいるよりは、一緒に外出している方が雑音は気にしないで居られる。
「吉住、今からディスプレイの確認がしたい店舗があるから、一緒に来れる?」
「は、はい! 今すぐ!」
オフィスに戻って朝比奈さんに任された企画書のデータを作成している途中、声をかけられ慌てて整理と出かける用意を始める。
「車出すから、駐車場でね」
そう言って朝比奈さんは先に駐車場へ向かった。
「お前、大丈夫? すっげえ忙しそうだけど」
声をかけてきたのは、同期の伊崎だ。
彼も私と同様に一年、店舗経験を積みに行っていたのだが、出向先の店舗が人員不足で十一月初めにやっと戻されてきたところだ。
仕事が私の手に負えない時に、よく手伝ったりしてくれている。
「大丈夫! ごめんね! 同期会しようって話なのに、中々予定立たなくて」
パソコンの電源を落としながら、わたわたと携帯や筆記用具などをバッグにがさがさと放り込む。
今からディスプレイを設置するんだとしたら今日が休みの店舗だろうか。
更に明日からのバレンタインフェアの店舗……っていったらきっと、あの店とあの店かな。
と、頭の中で仕事のあたりをつけながら、伊崎の会話に応じる。
「いや、いいんだけどさ。疲れてそうだし手伝うことあったら言えよ、俺今暇だしさ」
「ありがと。伊崎、エリア、どうなるんだろうね」
彼は最初からエリアマネージャーとして戻されているのだが、受継ぐべきエリアがどこなのかまだ決まっていない。
「予定があるとは聞いたんだけどな……まあそれまで楽でいいけど」
「伊崎が暇なうちにやりたいよね、同期会」
私たちの同期といえば、企画部の小野くんと総務の多田さんだ。
入社後一か月の研修期間に仲良くなりその後ちりぢりに配属されたのだが、時間があればたまにみんなで集まっていた。
そして今回、伊崎が本社に戻ったこともあり、また一度集まろうという話になっていたのだが……私の方で中々時間が読めなくて先延ばしになっている。
「声かけてね! 遅れてでも行くから」
パソコンの電源が落ちたのを確認すると、私はバッグを持って慌てて朝比奈さんの後を追った。