極上スイートオフィス 御曹司の独占愛
ディスプレイの確認に回った店舗は三店舗だ。
全ての店舗は見て回れないから、人員が少なくて社員だけでは手に負えない店舗を手伝いがてらの確認だった。
それ以外にも話をしたりしていれば、三店舗回っただけで定時を過ぎていて、朝比奈さんが真直ぐ私をアパートまで送ってくれた。
「真帆、今日はゆっくり休んで」
アパート前で車を停車させて、朝比奈さんが私の頭を撫でてくれる。
『真帆』と呼ばれれば、プライベートの時間だと私の頭も切り替わる。
「朝比奈さんは……まだ帰らないんですか」
食事もせずに送られたことが、彼にはまだ仕事が残っているのだと予測できた。
「だったら、私も手伝います」
「真帆はもう帰りな。この頃疲れてるし顔色も悪い」
「でも」
「少しだけ、充電」
頭を撫でていた手が後頭部に回り、優しく唇を重ねられて言葉は封じられる。
深く浅く、唇同士が合わさって、私はそれだけで何も考えられなくなってしまう。
どんなに忙しくったって、陰口叩かれたって、朝比奈さんと一緒に居られるならそれでいい。
プライベートの時間は少なくても、仕事では毎日顔が見られて、言葉を交わすことができる、それが何より幸せだった。