極上スイートオフィス 御曹司の独占愛

そんな風に朝比奈さんを思っていたら。
窓の外に、白のぴかぴかのセダンを見つけた。


ここ二階席の窓からは、駅前のロータリーがここからはよく見えるのだ。


ちょっとはっきり車種までは確認できないけど、朝比奈さんの車に似てる、とか思って見入っていたら本当に朝比奈さんが出てきて驚いた。


「あれ、朝比奈さんと倉野さんじゃね?」

「え?」


伊崎も気が付いたようで、すぐさま声を上げたけど、私は倉野さんの存在には気づいてなくて、伊崎の声で気が付いた。


朝比奈さんの車に優雅に歩み寄る姿は、確かに倉野さんだった。


「朝比奈さん、結構いい車乗ってんなあ」

「うん、そうだね」


答えながら、上手く頭が働かなかった。
朝比奈さんのすぐ傍まで近づいた倉野さんは、とても親し気に笑いかけて見えて、朝比奈さんの顔はこちらからは見えなかった。


でも、雰囲気は伝わる。
微笑む倉野さんが、とても嬉しそうで。
以前、専務と一緒だった時は、朝比奈さんと倉野さんは殆ど会話も交わすことなく終わったはずだった。


あんな親しそうに話す間柄だなんて、知らなかった。


「仕事? じゃないよな。もしかしてあのふたり付き合ってんの?」



社用車じゃない、白のアウディは朝比奈さんの自家用車だ。
デートで何度か、それから仕事の後送ってくれる時に乗せてもらっている。


倉野さんは当たり前のように、助手席のドアを開けた。

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