桜樺 -ouka-


『ハァハァ………祐、待たせてごめん』





「いんや全然。そんな走んなくて良かったんに」




『ううん。それでね、祐。私、私がなんなのかわかったわよ』





私の両親の事、私が桜樺だということ。桜樺には白の桜樺と黒の桜樺があるという事…全部話した。





祐は、私の話に驚きつつも静かに聞いてくれた。





「そんな………けど、お前は大丈夫なんだろ?黒の桜樺になんかなんねぇだろ?」





『わからないわ……今まで白の桜樺を望んできた桜樺もほとんどが黒の桜樺になったって言うし…でも、最善は尽くすつもりよ。私は黒の桜樺になんてならない』




私の決意に、祐は深く頷いた。


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