桜樺 -ouka-


そんな会話をしているとも知らず、瞳は着々と食事の支度を進めていた。





「瞳」





土方さんだ。





『はい?まだしたくは……』





「そんなのもういい、ちょっと俺の部屋来い」





なんでそんなに怖い口調なのか知らないけど、私が何かやらかしたに違いない。





土方さんの部屋にて正座をすると、突然土方さんは抜刀し、私の首ギリギリで止めた。






『な、何するんですか?!』





「お前、向こう側だったのか…?」





そういう土方さんは、口調に合わず、ひどく悲しそうな顔をしていた。





『なぜ…』





「古高が言っていた。お前はあいつがいう前に計画を知っていた、と」





やってしまった。あと先考えずに、吐かせることだけにとらわれていたから。


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