桜樺 -ouka-



2階は血の海。長い廊下を死体が埋め尽くしていた。






総司……!!






お願い、無事でいて…!!






最後の襖を開けた時、私は思わず叫んでしまった。






『総司っっ!!!』






総司が血溜まりの中心に倒れ、男がとどめをさそう、そんな場面だった。






私の声にも反応しない総司は、完全に意識を失っているようだ。






今、振り下ろされた刀を、私は瞬きもせずに突進し、奴の刀を吹っ飛ばした。






「なっっっ?!貴様!!何者だ!!!」






『…………』






「無言か…ふっ。いいだろう。相手してやる」






二人が同時に息を吸うと、ちりが地に着く前にぶつかった。






ギィィイイィィン!!!!!






「ほう。その身体でなかなかやるな」






私はそいつのスキを見逃さなかった。






ザッ!!






「な゛っっ?!あ、ああぁぁぁぁ……」






男は力なくその場に倒れ、息絶えた。


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