桜樺 -ouka-
目をぎゅっと瞑り、痛みを覚悟したが、いつまで経ってもそれはこなかった。
恐る恐る目を開けてみると、そこにはありえない光景が広がっていた。
総司が私をかばって刺されたのだ。
『ぁっ、あ………いや、いや!!!総司!!!!!!なんで?!』
「だめ…でしょ…?注意しな、きゃ」
そのまま、総司は動かなくなった。
総司の腹からは、どんどん血が流れ、その度に総司の顔色は死人のように白くなっていった。
『いや、いやよ!!総司!だめ、だめ、だめ……』
傷口から溢れ出る血をすくうように手を動かした。そんなの、無駄だってわかっているのに。
総司は今から応急処置をしても無駄だろう。誰でもわかる。