腹黒王太子の華麗なる策略
最初は半信半疑だったが、早速魔力を使ってフィオナを探した。

魔力を使うのは、難しくはなかった。

こうしたいと思えば、そこに力が生じ、思う通りになる。

回廊にいるフィオナを見つけ、俺はその場所に瞬時に移動した。

先にフィオナを追っていたディオンの姿はそこにない。

辺りは一面血の海で、床には侍女の死体がいくつも転がっている。

その中にアンがいないか心配だったが、ホッとしたことに彼女の遺体はなかった。

だが、フィオナが今手にかけているのはアンの母親で、助けようにももう手遅れだった。

信じられないことに、フィオナはアンの母親の顔を剥ぎ取り、惨殺したのだ。

『あら坊や、いいところに来たわね』

フッと残忍な笑みを浮かべ、フィオナは俺の目の前でアンの母親の顔を仮面のように被る。

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