腹黒王太子の華麗なる策略
『どう?似合うかしら?私を乳母と思って甘えなさいよ、クリストファー』

フィオナは血塗られた手で俺の手に触れようとする。

だが、俺はババアの手を振り払った。

『その汚い手で触れるな!』

許せなかった。

ただ殺すだけでなく、優しくて綺麗だったあの人の顔を奪ったこの魔女が憎くて……。

『絶対に許さない』

フィオナを睨み、剣を向けた。

だが、このババアはそんな俺を嘲笑う。

『ひ弱なお前に何ができる?お前の顔は気に入っている。大人しく私に飼われれば、生かして側においてやってもいい』

『……誰がお前のようなババアに飼われるか』

吐き捨てるように言って、フィオナに向かって剣を振る。

ババアが何か呪文を唱えたが、ルシファーの力を手にした俺には効かなかった。
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