腹黒王太子の華麗なる策略
俺の説明に、ラルフは顎に手を当て「確かに」と同意する。

その時、コンコンとドアをノックする音がした。

「兄上、入るぞ」

弟のディオンがドアを開けて入ってくる。

「なあ、朝から何を騒いでるんだ?」

髪がボサボサのディオンは、あくびをしながら訊ねる。

「俺の結婚が決まったそうだ」

楽しげに俺が答えれば、ポカンとした顔をするディオン。

「あっ?本気で言ってるのか?相手は誰だ?」

ディオンの問いに、今度はラルフが淡々とした口調で答えた。

「エッジウェアの第一王女だそうですよ」

「……その他人事のような言い方、何なんだよ」

顔をしかめながらディオンは腕を組み、俺達を見据えた。

「あのババアが、エッジウェアと勝手に同盟を結んだらしい。俺とエッジウェアの第一王女の結婚を条件にな」
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