ミンジュンが私を溺愛すぎる件



「やだ~~、詠美、このケーキどうしたの?」


もう美沙おばちゃんの心を半分は掴んだも同然だ。


「私の泊まっているホテルのフレンチのシェフに作ってもらったの。
私じゃなくて、私のクライアントがね」


そうこうしていると、父さんと職人の藤井さんと鎌田君が居間に入ってきた。
三人とも今から何が始まるのか楽しみで仕方がない。


「とりあえず、食べようよ」


美沙おばちゃんはコーヒーを5人分淹れてきて、一番先に美味しそうなケーキを選び、後は適当にお皿にのせ皆の前に置いた。

詠美は皆が食べるのを見ているだけで胸がいっぱいだった。
何て切り出せばいいのだろう…
どう言えばこの夢のような話を信じてもらえるのだろう…

少しパニックになってしまっている詠美は、美沙おばちゃんと目が合ってしまう。


「詠美の大切な話って何?
ほら、皆、もう食べ終わったから話してちょうだい」


お父さんも職人さん達も、皆で詠美を見る。
詠美は大きく深呼吸をした。



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