ミンジュンが私を溺愛すぎる件



そして、ミンジュンにとって、楽しみでしょうがない水曜日がやって来た。
この日の朝は、詠美はいつも以上に早起きをしあたふたと準備をしている。


「ミンジュンさん、ちょっと早いけどごめんね…」


詠美は朝の7時には浅草寺に着く予定を立てていた。
平日といっても浅草寺界隈はとにかく人が多い。
写真を撮る事が大好きなミンジュンのために、お寺が朝の6時半に開堂する事を知っている詠美は、とにかく人が出てくる前にミンジュンにお寺を堪能させたかった。

ミンジュンはいつもの変装スタイルに着替えている。
サングラスをかけたところで、詠美にそのサングラスを奪われた。


「これは今日は止めた方がいいと思う。
大きめのマスクの方が自然ぽいから、今日はマスクにキャップの組み合わせにしようよ」


詠美はそう言って買っておいた大きめのマスクをミンジュンに渡すと、ミンジュンは素直にそれに応じてくれた。


「今日は詠美の言う通りにするよ。
だって、詠美の生まれ育った場所に行くんだから」


詠美は肩をすくめて笑った。
何事も起こらずに、無事に一日が過ぎますようにと祈りながら…



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