ミンジュンが私を溺愛すぎる件



「い、いらっしゃいませ~」


詠美とミンジュンが煎餅屋の暖簾をくぐると、お父さんと職人さん二人で出迎えてくれた。
え? でも、美沙おばちゃんがいない。
さっき、もうすぐ着くよってメール入れたはずなのに…

ミンジュンはすぐにその三人に歩み寄り、丁寧にあいさつをしている。
韓国の人は儒教の国のため、目上の人にはとても礼儀正しく腰が低い。

お父さんは韓流スターのミンジュンのオーラに戸惑いながらも、ミンジュンの流暢な日本語に驚きそして感心して笑顔を向けている。

詠美はミンジュンのスマートな対応に、感心を通り越して感動していた。

ミンジュンは鎌田君の自己紹介が終わると、持っていたバッグからすぐにサイン色紙を取り出し、小さな声でお母さんへのプレゼントですと一言添えてさりげなく渡した。


「お父さん、美沙おばちゃんは?」


詠美がそう聞くと、お父さんはミンジュンをチラッと見て苦笑いを浮かべ、詠美を引っ張って奥の居間に連れて行った。




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