ミンジュンが私を溺愛すぎる件
テヒョンはバックミラー越しに詠美を見て、にっこりと笑った。
詠美はその笑顔を見てテヒョンと打ち解けたと思い込み、テヒョンに一つだけお願いをした。
「テヒョンさん、今度は私のお願いを聞いて下さい。
今向かっている私の実家が、浅草にある事を、ミンジュンさんに黙っててほしいんです」
「あさくさ?」
「そう、浅草です。東京の有名な観光地です」
「あ、はい、あさくさ。
もうすぐ、つきます」
テヒョンがそう言うと、もう浅草寺が見えてきた。
テヒョンはカーナビの言う通りに、仲見世通り近くの狭い路地に入って行く。
「ここには車は停車できないので、ぐるっとどこか回ってきて下さい。
15分後に、私はここに立っています」
OKと言ってテヒョンは車を走らせていなくなった。
詠美はちゃんと意図が通じているか不安になったが、そんな事より早く荷物をまとめないといけない。
先に店に顔を出してお父さんに事情を説明しなきゃ…