ミンジュンが私を溺愛すぎる件




詠美が何となくそう思いテヒョンに尋ねると、テヒョンは韓国語で答えてくれた。


「普通はミンジュン兄さんの部屋には、その部屋がどれだけ広くてもスタッフは泊まらない。
だから、詠美一人だけだと思うよ。

でも、大丈夫。
ミンジュン兄さんって少し変わってて、恋愛とか女の子とかには全く興味がない人間だから、詠美の事は本当にお手伝いさんとしか考えてないと思う。

あの人はお金しか信用しない人だから」


詠美が困った顔をして頷くと、テヒョンはもう一言付け足した。


「このホテルの近くにカフェを見つけたから、日本語の勉強はそこでしようか?」


詠美はちょっと戸惑いながら、小さく頷いた。

ミンジュンさんの近くに四六時中いなくてもいいはずだよね…?
お手伝いさんだって、メイドだって、休憩時間は必要だし…

テヒョンが運転する車は、ホテルの正面玄関の前に横づけした。

正面玄関に立っているホテルの人間は、このベンツを見たら、全員が一礼をする。
超高級のプレジデンシャルスウィートルームに泊まっているお客様の車だと皆分かっているから。

詠美はその車から降りた瞬間、どこかの国の王妃にでもなったような錯覚に陥った。
ホテルマンからの最上級の接客と賛辞とおもてなしが、詠美を夢の世界へ誘う。


神様が、ちっぽけな私の人生に、たった一度だけ最上級の夢を見させてくれているのかな…








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