ミンジュンが私を溺愛すぎる件
詠美はいつの間にか部屋着に着替えていた。
カッチリとしたスーツは脱いで、柔らかいパイル織のコットン生地の上下のセットアップを着ている。
色合いは澄んだ海の色をしているせいで、詠美の肌の白さが際立って見えた。
ミンジュンのさっきまでのイライラは何だったのだろうと思うくらいに、詠美のその姿はミンジュンの心を和ませた。
フワフワとした生地の感じが詠美にすごく似合っている。
「お、お風呂には入らなくていいのか…?」
ミンジュンはさっき韓国語でまくし立てて話したせいで、自分の使う日本語が赤ちゃん言葉のように聞こえる。
「え? あの、豪華なお風呂を毎日使っていいんですか?」
「いいって言ったはずだ」
詠美は笑顔になった。
ミンジュンはもう詠美の手なずけ方を心得た。
俺が借りているこの部屋にあの最上級のお風呂がある限り、詠美を笑顔にする事は簡単だ。
「じゃ、入ってきます」
詠美はポケットから黒いゴミを取り出してクルクルっと髪を頭のてっぺんでお団子にした。そして、お風呂に向かおうとした時に、詠美はミンジュンに呼び止められた。
「詠美、ここへ来て、ここに座って」
詠美は戸惑いながらミンジュンの隣に座った。
「お風呂の前にまずは報告だった。そうだろ?」