先輩から逃げる方法を探しています。



「つーばーさーちゃーんー?」

「な、何ですか?ってあれ?先程の方は?」

「レンレンならさっきもう行ったよ。…もしかして怖かった?」

「いえ。大丈夫ですよ」


考え事をしている間に先程の男の人とは別れたようだ。

気を取り直してゲーセンの中へ。

ぬいぐるみやお菓子、フィギュア、電子機器なんかまで様々なものが景品としてある。

想像していたものより凄いたくさんの種類があり、少し驚いた。


「あ。これですね。カネコさん」


『大人気!』とPOPが貼られいる大きな台にカネコさんのぬいぐるみが入っていた。

この台以外にもカネコさんが景品の台がいくつかあることと、後ろに積まれているストックも残り2つしかなく、POPがなくとも大人気なのがわかる。


「やってみる?」

「初めてですが私でも出来るんでしょうか?」

「操作は簡単だし、コツを掴めば獲れるよ」

「大体どのくらいで獲れるものなんですか?」

「んー…上手い人だと1発とか多くて3回くらいかな。まぁ運任せみたいなところもあるし人それぞれだねぇ」

「そうなんですね」


上手い人で1回~3回ぐらい…。

私は初めてだし、その倍…いやもっとかかりそうだ。

そうなるとキリがなくってしまうだろう。

予め何回までと決めておくのが無難。


「では5回まで挑戦してみます」

「回数決めるなんて翼ちゃんらしいね。俺は獲れるまでやっちゃうタイプだけど」

「それは先輩らしいですね」


負けず嫌いという類ではなくて、欲しいものは手に入れるまでって感じがする。

特に欲しくないものは諦めるというより最初から手を出さなそうだ。

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