日だまりの雨
明るく前向きに。
そんな願いを込めて両親から貰った名前。
自分の為にある名前で、
「日咲の名前見てたら……幸せになれる」
他人を幸せにしているなんて、思いもしなかった。
「ありがと……」
照れくさくてぶっきらぼうに呟いたお礼を、
雨音は嬉しそうに受け止めていた。
どうせ雨音が、勢いで好きって言ったなんて、
……完全にわたしの勘違い。
雨音は、ホントにわたしを……想ってくれてるんだ……。
雨音のこんな表情を見せられると、思ってしまう。
どうしたら彼を、
傷付けずに別れを告げられるか、と……。