日だまりの雨
「それからの雨音はずっと……人を寄せ付けない。でも、雨音は独りになりたくて寄せ付けないんじゃない」




ここで陽光くんは、わたしを正面から見据える。


真剣な眼差し。


雨音に似てるけど、やっぱり雨音とは違う陽光くんの顔。



「雨音はあの時からずっと、必要とされなくなることを怖がってる。だから、最初から大切な人を作ろうとしなかった」




どことなく悲しげで悔しげな感情が滲んだような真剣な表情。



雨音が変わってしまったこと。
双子の陽光くんも、ずっと辛かったのかもしれない……。




また、わたしの涙腺が緩み始めた。





「そんな雨音が唯一、傍に居ることを望んだのが日咲ちゃんだよ」




優しく呟き、微笑んだ陽光くんの表情。




「日咲ちゃんに、雨音は必要?」




頷くよりも早く、涙が瞳から溢れ出した。




「もう一度……雨音のとこに行っても良い?」





優しく頷く陽光くんに後押しされて、もう一度階段を上がっていく。




堅く閉ざされた扉が、雨音の心のようだ。



だったら尚更、わたしはこの扉を開けなくてはいけない。
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