契約書は婚姻届
「なにそれ!?」

手の中で箸がミシミシと音を立て、我に返った。

……あんっのくそじじぃ!
やり方が汚いってーの!

「俺、為替取引やってるんだけど、最近大損してさ。
もう、借金まみれ。
闇金だっててー出したし」

「……は?」

淡々と、雪也がなにを語っているのかわからない。

借金だとか闇金だとか。
だっていままで、雪也が払うって、全部お金は払っていた。

「でも、カード払い、してたよね?」

「ああ、これ?
プリペイ式の奴。
経費だって結構な額入れて渡された。
会社の金に手、つけようかなんてくらい追いつめられてたから、成功したら借金全部返してくれるって云われて、ほいほい乗った」

嘲笑うかのように顔を歪ませると、くいっと雪也はグラスから水を飲んだ。
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