契約書は婚姻届
「朋香はほんとに、Reizend !(可愛い)」

ソフトクリームを食べ終わった尚一郎に勢いよく抱き付かれて、食べかけの朋香のソフトクリームが落ちた。

「……ごめん。
新しいの、買ってくるよ」

「……いえ」

ばつが悪そうに目を伏せられると、なにも云えない。

「じゃあ、帰りに美味しいケーキを買おう。
それで。
……朋香はね、僕にお願いすればよかったんだよ。
あの男を助けてください、って」

「あ……」

思いもつかなかった、尚一郎にそんなお願いをするだなんて。

けれど、たとえそれを思いついていたとしても、尚一郎にお願いすることはなかった気がする。

自分の、しかも元彼の問題の解決を、尚一郎に頼むなど。

「朋香が僕にお願いしてきていたらきっと、彼を助けなかっただろうね。
でも、朋香は少しもそんなことを考えなかったみたいだし。
朋香のそういうところはほんとに愛おしくて、……なんでも願いを叶えてあげようって思ったんだよ」
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