契約書は婚姻届
買いに行くわけではなく、もちろん買ってきてもらう。

「……。
じゃあ、コーラで」

「わかった。
……コーラを二つと、ポップコーンを」

諦めて、尚一郎の隣に座る。

すぐにコーラとポップコーンを運んできた係員はしきりに、寒くないかだとか気を使ってきてなんとなく居心地が悪い。

けれど、上映が始まるとさすがに係員も傍を離れた。

そっと行方を追うと離れたところで控えていて、苦笑いしか出てこない。

 
観たい映画を聞かれて思わず、海賊シリーズものの最新作を答えていたが、これでよかったのか自信がない。

最初のうちは尚一郎にはつまらなかったんじゃないかとか気にしていたが、そのうちストーリーに引き込まれて笑ったり泣いたりしていた。

 
終わると、近くのカフェに連れてきてくれた。
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