契約書は婚姻届
気になる、が、聞けそうにない雰囲気。

推測するに今日、侑岐が云っていた女性のことじゃないだろうか。

「朋香も彼女のように不幸にする気?」

「……朋香は絶対に僕が守る。
今度こそ、絶対に」
 
朋香の手を掴む尚一郎の手に、痛いくらい力が入る。
思い詰めたような硬い表情に、思わず朋香はその手を握り返していた。

「絶対に僕は朋香を不幸にしない。
守ってみせる」

顔を上げた尚一郎の目は、揺るがない決意で満ちていた。
その目に、侑岐が嬉しそうに唇を僅かにほころばせる。

「約束、してよ? 
絶対に朋香を不幸にしないって」

「神に、誓う」

尚一郎の強い言葉に、侑岐は満足げに頷いた。

「わかった。
じゃあ、例の書類をちょうだい」
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