契約書は婚姻届
「朋香のせいじゃないから。
これは僕の問題」

「でも」

「朋香が笑っていてくれれば、僕は頑張れるから。
だから、笑ってくれるかい?」

「……はい」

無理矢理でも笑顔を作って顔を上げると、尚一郎も笑ってくれた。

尚一郎が背負っているものは、きっと自分が想像するよりもずっと重い。
どうしたら負担を減らしてあげられるのかわからないが、せめて。

尚一郎が望むのなら、できるだけ笑っていよう。


 
そのまま、明夫たちと待ち合わせのレストランに行った。
尚恭の誘いを断ったのは、先約があったからというのもある。

「先日はお騒がせして申し訳ありませんでした」

「いや、いいんだ、別に。
もうすっかり仲直りしたようだし」
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